いまさら聞けない”電話応対”
人間は資格から情報の8割を得ているといわれます。しかし電話は情報を多く得るはずの相手の顔が見えないコミュニケーションツールです。社会人として当たり前に身に着けておかなければならない電話応対ですが、当たり前すぎていまさら聞けない方や、そもそもこれまで教わったことのない人のために、今回は主に接客業における電話応対のマナーについてお話したいと思います。
電話応対の心構え
◆電話応対の6つのポイント
①第一印象を大切にしよう
既述の通り人は資格から情報の8割を得ているといわれています。しかし電話は相手の顔が見えない為、第一印象となる電話を取った時の声が大きく印象を左右します。明るく活舌よく、正しい言葉遣いを心がけ電話をかけてきた相お客様に良い印象を持っていただけるようにしましょう。
②聞き上手になろう
まずはしっかりとした相槌を打ちながら、お客様の話に耳を傾けましょう。一方的に話をしたり、お客様の話の途中で割って話しをしてはいけません。お客様の話をしっかりと聞いたのち、必要事項を伺いながらお客様が何を求めているのかを把握しましょう。
③相手の質問に答えられるように準備しましょう
お客様が求めていらっしゃるものがわかったら、それに的確にこたえることが必要です。よくある問い合わせに対しては、事前に商品知識などを身に着け、答えを用意しておきましょう。自分が分からない事に関しては、誰ならこたえられるかを把握しておきましょう。
④復唱して、メモを取ろう
お客様の言葉を必ず復唱し、聞き漏らしや聞き間違いなどのミスを防ぎます。また、しっかりと復唱をすることで、お客様もちゃんと対応してもらえているという安心感を受けます。その際にはメモを必ず取ることを忘れないようにしましょう。
⑤感謝の気持ちを忘れずに
お電話をくださったお客様に感謝の気持ちを持ちましょう。また、その感謝の気持ちをしっかりとお客様にお伝えする事も重要です。
気配りの言葉は、決まり切っているものではなく、この感謝の気持ちを持つことで、自然と口から出てくるはずです。
⑥お店の利益につながるように
お客様の不安な気持ちを解消し、「この店なら行きたいな」と思っていただけるために、時点のメリットや時点の商品のメリットなどをしっかりとお客様に伝えられるようになりましょう。しっかりとした電話対応をすることで、店舗の集客者商品の成約に繋がります。
基本マナー
・電話は3コール以内に撮るようにしましょう。
3コール以上鳴った場合には「大変お待たせいたしました」の一声を添えましょう。
・目に見えなくても、きちんとした態度で電話を受けましょう。だらけた姿勢は
お客様にも電話越しに伝わります。
・どんなに忙しくても、落ち着いた対応を心がけましょう。雑な印象を与え、
最悪なケースでは、お客様を失う事になります。
・保留は30秒以内まで。それを越えるときはいったんお客様に状況を説明し
確認後、折り返しこちら側から連絡をさせていただく事をご提案しましょう。
・電話を切るまでは、周りの人と話をしたりしない。
・電話は手で切りましょう(受話器を直接置くと「ガチャッ」という音がするため)
聞き方
電話応対の基本はまず、「聞き上手」になることです。
◆聞き上手になるためのポイント
①お客様の立場になり、思いやりの気持ちと心配りを忘れない
②適切な「相槌」を打ちましょう
「はい」「ええ」などはっきりと相槌をうちましょう。「はい、はい、」を
繰り返すと、誠意が伝わらずお客様に不快な印象を与えてしまいますので注意が
必要です。
③お客様の言葉を復唱しましょう
・よく聞き取れない言葉や理解できない言葉なども復唱して確認しましょう。
確認と同時にお客様に安心感を与えます。
・数字や、日にち、時間、連絡先などは聞き間違いが無いように必ず復唱します。
自分がお伝えする側になるケースでも同様です。
④80%聞き役に徹しましょう
・まずは80%、お客様の話を聞く気持ちで受話器を取りましょう。
⑤会話の途中で割り込まない
・何か思う事があっても、まずはお客様の話が終わってから話しをしましょう。
・お客様が話をしている途中で「先読み」をしないようにしましょう。
⑥メモをとりましょう
・お客様の話から、重要だと思う事はメモを取りましょう。
お客様のお名前や日付や電話番号等の数字にまつわるものは必ずメモを取るように
しましょう。
話し方
お客様の求めている事が分かったら、今度はこちらからきちんとお答えします。
話をする際には、相手の立場に立ってわかりやすい話し方を心がけましょう。
◆話上手になるためのポイント
①お客様が理解しやすい話し方を心がけましょう
・声の大きさ
・受話器を通してもはっきりと聞こえるよう、少し大きめの声で話しましょう。
・声の高さ
話の内容によって使い分けます。
高く明るい声⇒親しみやすい印象
低く落ち着いた声⇒安心感
・スピード
いつもの会話より少しスピードを落とし、落ち着いて話しましょう
・声の調子
一本調子にならないように、適当な間を入れたり、声の強弱や高低を
使い分けましょう。
・語尾
語尾を濁すと自信がなさそうな印象を与えます。言葉の語尾を逃がさず、最後
まで破㏍里と発音しましょう。
・そのほかの注意点
時間表現を曖昧にするとクレームの元となるので、注意しましょう。
「後程」や「できるだけ早く」など曖昧な表現は避けましょう。
②笑顔で話しましょう
・見えない相手だからこそ、特に「笑顔」で対応しましょう。
・表情は声を通して相手に伝わります。「笑顔」ならぬ「笑声」という言葉が
あるくらいです。
③挨拶・お礼を欠かさない
・会話の始まりと終わりには必ず自分の名前を名乗りましょう。
「お電話ありがとうございます。〇〇店の△△です。」
「△△が承りました。お電話ありがとうございました」
・お客様の名前が分かったら、できるだけ名前でお呼びしましょう。
「かしこまりました〇〇様」
④間違えやすい言葉に注意する
・間違えやすい言葉は、違う表現を使ったり、頭文字、熟語などを使って正確に
確認しましょう。
4⇒ヨン 7⇒ナナ PとT⇒「パナソニックのP」 「タイガースのT」
・漢字の確認は必ず置き換えて行います
喜多村⇒「喜ぶ」に「多い」「村」
北村 ⇒「東西南北の北」「村」
※「普通の」や「よく使う」など主観的な表現はしない。
敬語の使い方
敬語を的確に使った感じの良い言葉遣いは上手な電話応対の前提条件です。
しかし、敬語は必要以上に使うとかえって不自然になるばかりか相手にも不快感を与えてしまいます。敬語の種類を正しく理解し、使い分けられる能力が必要です。
◆敬語の種類
・尊敬語・・相手の動作などに対し敬意を表す
・動詞に「お~なる」「なさる」をつけます
例)「お聞きになる」「お見えになる」
・終わりに「れる」「られる」をつけます
例)「いかれる」「来られる」
・その他
例)「する」⇒「なさる」 「言う」⇒「おっしゃる」
・謙譲語・・自分の動作などをへりくだった言い方で相手への尊敬の気持ちを表す
・動作に「お」「ご」をつけます
例)「お聞きする」「お伺いする」「ご案内する」
・その他
例)「行く」⇒「伺う」 「言う」⇒「申し上げる」
・丁寧語・・物事を丁寧に表現する事で相手に柔らかい印象を与える
・動詞に「です」「ます」をつけます
・相手の体、持ち物、動作、家族などに「お」「ご」を付けます
例)「お名前」「ご住所」「ご様子」
※二重敬語に注意!
×お召し上がりになってください 〇召し上がってください
×ご購入される方 〇購入される方/購入なさる方