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仕事の流儀をお教えします。

【物販スタッフ必見】商談の成約率向上させる方法③

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前回は「お客様の心のハードル」について、前々回は「ハードルを解除するために必要な力」についてご説明してまいりました。
では、一体これらを使ってどのようにすれば商談力は上がっていくのでしょうか。

共通言語づくり

「共通言語」とはその名前の通りメンバー全員が共通認識のもと使われる言葉です。業界用語もそのうちの一つです。私が学生時代にアルバイトをしていた飲食店ではデザートを出すタイミングについて食前の場合は「Before」食後の場合は「After]料理と一緒の場合「Same]と言って、それぞれの頭文字を伝票に書き込んでいました。(今どき手書きの伝票は使っていないでしょうけどね)また、厨房では先に焚いたご飯のことをあんちゃん(ごはん)と言ってましたね。料理長から「おい、〇〇さん!あんちゃんから使っていって!」とか指示が飛んでましたね。これらも共通言語のひとつです。共通言語の必要性については言うまでもないかもしれませんが意思や情報がよりスムーズに、正確に伝わるようになります。という事で、まずは6つのハードルをグループ内の共通言語にするところから始めていきましょう。するとグループ内のみんなが商談を進める手順や、視点が揃っていきます。そのためにはまず全員に覚えさせることです。方法は様々あるかとは思いますが、私の場合は朝礼や終礼を活用しました。一人一つずつ、順番にハードルを言わせてくのです。何回もグルグルと繰り返し行います。すると慣れてくるに従いそのスピードも上がっています。無意識に6つのハードルが暗唱できるくらいになれば合格です。(ハードルは解除の順番が大事なので必ず順番を守らせるようにしてください)

振り返りシート

次に商談を振り返るためのシートを準備します。以下のようなフォーマットを作ってみましょう。
ハードル
解除の状態
(〇×△)
補足事項(お客様の言葉やスタッフの説明)
不安  
不信  
不要  
不適  
不急  
不足  
こんなシートを商談が終わった後に書かせていきます。最初は時間がかかりますので一日1~2枚くらいでいいかと思いますが慣れてくると記入スピードも上がりますので増やしてみるといいかもしれません。
書き方としては、①解除されたハードルと解除できなかったハードルは何だったのか。②補足の欄には実際にお客様の口から出た言葉や、それに対して伝えたそのスタッフの言葉等を入れます。

振り返りシートの記入方法のルール化

フォーマットを作ってもそれぞれがバラバラな基準でハードル解除の状況を記入していては意味がありません。どういう状態になったらそれぞれのハードルが解除されたと判断していいか決めておきます。例えば「不要」ハードルの場合、「やっぱり買い替えたほうがいいよね」などの言葉を頂いたら「〇」をつける。「不適」ハードルは「これいいね!」等の言葉を頂いたら「〇」をつけるなどです。
フォーマットの右の項目にはそんな、お客様の口から出た言葉や反応を記入していきます。スタッフがどんな説明をしたか等も記入してもらうようにすると、ほかのスタッフが見ても参考になるものが出来上がると思います。
店長やリーダーの役割
次に店長やリーダーはそのシートを使って終礼などで、スタッフを集め検証をしていきます。「〇付けの判断の認識があっているか」×がついた部分についてはどうすれば〇にできたのかなどをスタッフたちの意見を集めながら全員で検証してきます。これを繰り返してくことで店全体に6つのハードルの視点が浸透していき、さらに成約率も上がっていきます。

つるし上げは絶対にNG

失注案件を取り扱う場合、どうしても責任裁判のような状況に陥りやすくなります。そうなるとスタッフは積極的に商談に行かなくなったり、振り返りの時も言い訳やうそをつくようになります。そうなっては身も蓋もありません。あなたはスタッフ側の気持ちになってスタッフが前向きに次の商談にチャレンジしようと思えるように気を配る必要があります。成約案件と合わせて取り上げてあげるのもいいかもしれません。成約案件の場合は6つの不が〇になっている状態ですから、スタッフも前向きな気持ちで振り返りをしてくれるはずです。

振り返りの大切さ

これは私の先生から聞いた話ですが、あるスポーツライターがかの有名なイチロー選手の取材をした時の話。打率4割を超えるイチロー選手の秘密を探ろうと打撃フォームを研究したそうです。そうしたらイチロー選手の打撃フォームは実は毎回少しずつ違っていたそうです。何となくイチロー選手の打撃フォームというと”こんな感じ”みたいなイメージがありますが実は正確に比較してみるとほんの少しですが、毎回違かったそうです。それをイチロー選手に聞いてみたところ、やはり毎回すこしずつフォームを変えている(修正している)そうです。何が言いたいかもうお判りでしょうか。商談の振り返りについても同様で、毎日の仕事終わりに「あぁぁ今日は頑張った~!」とか「今日は売れなかったなぁ~」で終わりにしている人と、毎日商談を振り返って「次の商談はこうしてみよう」とか「次はこんな事を聞いてみよう」って取り組んでいる人とでは、のちにものすごい差ができるという事です。毎日はさすがにきついという場合には回数を減らしてもいいですから習慣化させてください。6つのハードルを共通言語としてスタッフ間でアドバイスが飛び交うような店舗になれば、必ず売れる店になるはずです。
次回は、さらに具体的な6つのハードルを意識した商談トークの練習方法についてご説明したいと思います。